★★★★
「ひと匙のはばたき」「かなしい食べもの」「ミックスミックスピザ」
「ポタージュスープの海を越えて」「シュークリームタワーで待ち合わせ」「大きな鍋の歌」
6話収録の短編集。
柔らかな色味の装丁と優しいタイトル、彩瀬さんらしい抽象的で繊細な文章は食べものがテーマになっていても、そこにはひりひりとした感情や哀しみ、苦しみが混在している。
他人から見れば些細な事に思えても、当人にとっては泣きたいくらい、死にたいくらい辛い時がある。
それでも人は食べる事で生きていく。
巷に溢れる料理小説とは一味も二味も異なる喪失と再生の物語。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。