★★★
欠かさず読んでいる永井するみさんの長編小説です。
優しい夫、愛しい娘と一見幸せに暮らしていた柴田澪だったけれど、母を殺め憎み続けて来た父と偶然出会ってしまう。
家族に知られない様に末期の癌で余命数ヶ月の父と、彷徨う生活が始まる。
タイトルの「逃げる」は今の家族からなのか、忌まわしい過去からなのか、父からなのか、はたまた自分自身からの逃亡なのか読み進めて行くとその結論が見えて来ます。
テンポの良い読みやすい文章で一気に読めました。
ラストに掛けて判る「本当の真実」は予想通りでしたが、そこに辿り着くまでの人物描写も丁寧で脳内映像でくっきりと描く事が出来ました。
しっとりと味わい深い作品です。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。