★★★★
正に凄絶な家族小説。
自分は親から勉強しろと一度も言われた経験がなく、自分の息子にもそれを通したのでこんな世界がある事に驚愕する。
僅か八歳で名門塾に通い、難関中学合格を目指す親子の戦いが描かれる。
受験戦争とは良くいったもので、その様子は本当に戦争の様だ。
塾の成績によるクラス分けに一喜一憂し、余所の子と比較し、親の虚栄心を満たす為の物となる。
一体誰の為の何の為の受験なのか。
戦いの渦の中で大切な事を見失っていく両親に歯がゆい思いだ。
子の心を壊してまで得られる物に価値はない。
ラスト一頁でようやく胸を撫で下ろした。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。