★★★★
「プルースト効果の実験と結果」「春は未完」「楽譜が読めない」「ひどい句点」
4話収録の短編集。
著者初の単行本の本作は、どこか『女による女のためのR-18文学賞』を思い起こさせる雰囲気が漂っていた。
1話目のプルースト効果とは味や香りから過去の記憶が呼び覚まされる現象の事。
それをチョコレートで実験した高校3年生の男女の未来がほろ苦くもリアルな現実を伴い描かれている。
他、思春期に誰もが通って来た初恋や過剰な自意識、又、女子大生が婚約中の新聞記者に恋をし不倫へ進む話など有り勝ちな内容だが瑞々しい表現力に惹かれた。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。