★★★★
新刊が出ると欠かさず読んでいる真梨 幸子さん
今回は引っ越しをテーマにした連作短編集です。
「扉」「棚」「机」「箱」「壁」「紐」
の6つの短編が収録されています。
最後の「解説」も本編ラストに見受ける普通の「解説」かと思いきやそれ自体も変わった趣のある短編の様になっています。
普段私は「解説」がある場合そちらを先に読んでから本編を読みますが今回の「解説」には
>本来は邪道なことなのだがこの本に限っては、それは正しい行為かもしれない
と記載されています。
いつも1話目から読まれる方は順に読むも良し、「解説」を先に読むも良し、読者の判断次第ですが私は「解説」から先に読んだ事で本編をより納得しながら読み進める事が出来ました。
さて真梨さんと言えばいつもちょっと癖のある毒を含んだ文章を書かれる印象がありますがやはり今回の短編集もそれが随所に表れていました。
全体的に会話が多くテンポ良く読めましたが、内側から開かない非常口など脳内映像でイメージしただけで怖くなる様なホラー感満載の作品集でした。
読後感もひんやりした感が残りやはり真梨さんらしいなと実感した1冊。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。