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青春のジョーカー/奥田 亜希子【レビュー】

★★★★

奥田 亜希子さん 初読み
とても良かったです。

主人公は島田基哉(しまだ もとや)中学三年生。15歳。
スクールカーストと性に縛り付けられながら、狭い空間の中で絶えず、悩み、もがき、あえぐ中学生男子の様子がリアルに描かれていました。

冷静に考えれば、自分が思う程、他人は自分に興味を持っていないのに、中学生の頃の自意識過剰、また自信のない自分自身に心がざわめき、周りの目を意識してちぐはぐな行動をしたり、負のスパイラルに陥ったり。
基哉の感情の揺れがひしひし伝わって来ました。

親や兄、自分の容姿を分析したり、大好きなクラスの女子、咲(さき)への思春期ならではの妄想をしたり、ドキドキしたりヒリヒリしたりほっこりしたり青春の甘酸っぱさを随所に感じ、自分の中学生時代を懐かしみながら読みました。

タイトルに使われている「ジョーカー」が所々スパイスになっていて良かったです。
数年後に基哉と咲が再会しそこから発展して行きますように。




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