★★★
リサイクルショップ「月世界」には七十代の野口タカエと、全く血縁関係がない大吾が二人で暮らしている。
その店に時折持ち込まれる奇妙な相談事。
主人公の堤隆太は、二人と共に事件を解決して行く。
前半は軽い推理小説の体を成しているが、読み進めるに連れ夜の闇が深く濃く変化し終盤はその表情が一変する。
一見関係ないと思っていた事件から点と点が繋がり1本の線になった瞬間、11年前に起きた一家殺人事件の真相が明らかになる。
理不尽さと哀しみ、歪んで伝えられる報道、やり切れなさに胸が詰まる。
夜明けを感じるラストにようやく安堵した。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。