★★★★
「救急夜噺」「割れた鏡」「二十五年目の再会」
循環器内科医・諏訪野良太の研修医時代のエピソードが三話収録された連作短編集。
医療ミステリと銘打たれている。
確かに医療もミステリも描かれているが、それ以上に其々の人間ドラマに胸が熱くなる。
戦場のような救急部で、患者自身が己の身を犠牲にして取った奇妙な行動、そこに隠されていた真実に涙腺が緩む。
形成外科で美容形成手術を繰り返す女性の秘めた思いには深い愛情を感じた。
最終話は全く予期していなかった真相にグっと心を捕まれ涙腺崩壊。
諏訪野先生には身体だけでなく心まで救われる。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。