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七人の敵がいる/加納 朋子【レビュー】

★★★★★

かなり面白かったです!

育児と仕事を何とか両立して来たワーキングマザーの陽子がこの物語の主人公。

息子の小学校入学で少しはラクになるかと思いきや、PTA・学童父母会・地域子供会などに悲鳴を上げる、
想像以上に大変な日々が幕を開けた。

入学早々、初の保護者会はPTA役員決めの修羅場に。空気を読めない陽は、早速敵を作ってしまう。

仕事と子育ての両立に不可欠な、義母のサポート。
“孫のためなら”の影に押しやられた本音は不満だらけ!?

夫は結局、家事も育児も“他人事”。保護者会も母親の姿ばかり。
働く母親にできて働く父親にできないことなんて、ないはずなのに。

わが子や先生、さらにはPTA会長にまで戦いを挑む陽子

こんな内容で
「第1章 女は女の敵である」 「第2章 義母義家族は敵である」

「第3章 男もたいがい、敵である」 「第4章 当然夫も敵である」

「 第5章 我が子だろうが敵になる」「第6章 先生が敵である」

「第7章 会長様は敵である」の7つの章で構成されています。

どの章もきっちりと良く出来ています。
小学生くらいのお子さんをお持ちの方が読まれたら思わず頷いてしまう場面が多々あると思います。

全ての文章に無駄がなく、かつ説得力もあり著者の頭の良さが文面から滲み出ていて面白い、そして第5章では驚き、感動し、エピローグに至るまで飽きる事無く一気に読めました。

陽子を始め登場人物の設定が素晴らしく、絶えず脳内映像で動いていました。

子供を持つ方が読んでも良し、子供を持たない方が読まれても面白い内容になっていますが、絶対的に読んで頂きたいのは小学生くらいのお子さんを持たれる父親でしょうか。

完成度が高く満足した作品です。




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