わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

これはただの夏/燃え殻【レビュー】

★★★

燃え殻さんの言葉はいつも切ない。
行間から漂って来る悲壮感や侘しさ、刹那的な生き方。明るい場面でも、そこには一抹の淋しさを感じる。

主人公は、周囲にあわせることや子どもが苦手で、なんとなく独身のまま、テレビ制作会社の仕事に忙殺されながら生きて来てしまった「ボク」。

友人の結婚式で出会った風俗嬢の優香、同じマンションで暮らす小学生の明菜、三人で過ごしたひと夏の出来事が描かれる。

本当にそう思った時にしか言わない信用出来る「わかる」を使う三人がとても好きだ。

一瞬の切り取り方が最高に切なくて、静かで穏やかな余韻が残る。




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