★★★
土地開発業者として現れた中学時代の同級生 阿守勲(あもりいさお)とためらう事もなく関係を持ってしまう平凡な人妻 沙知(さち)
夫、息子、義父母と暮らす生活は些細なイザコザはあっても特に大きな問題を抱えているわけでもなく、それでも不倫に走ってしまう妻
物語は淡々と倦怠感さえ漂わせながら進んで行きますがその中には人間の微妙な心理が織り込まれていて引き込まれます。
そして深く考えず自然な流れに身を任せて行く沙知の姿はどこかリアリティーを醸し出しています。
沙知の英会話教室での友人たち、義父母の言動、夫の態度など人物描写も巧みで目に浮かぶ様でした。
結末は予想していた通りでしたがまるで夢を見ていたかの様な不思議な錯覚に陥る様な作品となっています。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば