わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

占/木内 昇【レビュー】

★★★★

「時追町の卜い家」「山伏村の千里眼」「頓田町の聞奇館」「深山町の双六堂」
「宵待祠の喰い師」「鷺行町の朝生屋」「北聖町の読心術」

『占い』に纏わる7話収録の短編集。

時代物に苦手意識があって避けていたが最近読んだ短編集の中では断トツに面白かった。

好きな人の気持ちを知りたい一心で納得のいく答えを求め占い師を訪ね歩く女、その行き着く先までの心理描写が秀逸。

余所の家庭をランク付けし双六に見立てていた女の皮肉とも言える結末。

恋愛や仕事・家庭の事で悩み誰かに救いを求める様は、いつの時代も同じ。

女性心理を緻密に描いた秀作。




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