★★★★
第163回芥川龍之介賞受賞作品。
主人公は元ラガーマンの大学生で公務員を目指している陽介。
日課は筋トレ、性欲が強く、麻衣子と灯、二人の女性の間を行き来する。
小説として面白いかと言えばそうでもないのだけれど、自分を俯瞰して捉える陽介の独特な感じと、登場人物達それぞれに感じる違和感、奇妙な展開は今村夏子テイストを感じ惹かれるものがある。
前作の「改良」もインパクトがあったが、本作も先が全く読めない未知数の恐怖を感じゾクゾクする。
終始淡々と物語は進んで行くが141頁の短い作品の中に何とも言い難いむず痒さと不思議な感覚を味わえる。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。