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一番の恋人/君嶋 彼方【レビュー】

★★★★★

デビュー作『君の顔では泣けない』が良かった君嶋彼方さんの三作目となる本作も素晴らしかった。

「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた名を持つ道沢一番は、父親の「男らしく生きろ」の言葉に囚われ続けている。

恋愛感情も性的欲求も抱く事がないアロマンティック・アセクシャルの神崎千凪。

そんな二人が出逢い同じ時を過ごし始める。

一番と千凪、其々の視点で交互に描かれる事で二人の心の揺れや葛藤が痛い程伝わり、切なさで胸が締め付けられた。

互いに相手を必要とし、共に生きたいと願うならばそれは紛れもなく愛だと思う。




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