わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

存在の美しい哀しみ/小池 真理子【レビュー】

★★★★

欠かさず読んでいる小池真理子さんの長編小説です。

今回も読み始めてすぐに小池さんの不思議な世界に引き込まれて行きました。

母、奈緒子から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名

第一章では、母の死をきっかけに、兄が住むプラハへ向かい出会います。

第二章以降は母、父、そして兄と視点を変えて、それぞれの人生が綴られていきます。

角度を変えることで全く違う景色が見えて来ます。

全七章から構成されていますが、それぞれの人物描写も丁寧で、かつ風景描写も緻密で脳内映像でプラハやウィーンの町並みを想像しながら、それぞれの人物に感情移入して読めました。

派手な作品ではないけれど、しっとりとした美しい、そして余韻が残る作品となっています。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)