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透明な螺旋/東野 圭吾【レビュー】

★★★★

ガリレオシリーズ第十弾。

今回の湯川学は一味違う。
切れ味鋭い推理力で、真相を追及していく天才物理学者の姿は封印。

描かれるのは、人間の愛憎、悔恨、血縁、嘘と真実。
プロローグから一気に引き込まれ、リーダビリティの高さで一気読み。

愛する人を守る為に、犯罪に手を染めた犯人に同情の念を抱きながら読み進めていけば、終盤のどんでん返しに一気に切なさが込み上げる。

犯人の思い、守られた側の思い、一筋縄では行かない人間の複雑な感情を思い知る。

ガリレオらしさは薄味だが、ミステリーに血縁問題を絡めた深い人間ドラマを味わい尽くした。




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