★★★★
凄まじかった。
『偽りの春』に続く狩野雷太シリーズ第二弾は虐待をテーマにした二部構成の長編小説。
一部ではアサヒとユウヒの兄弟が実行した狂言誘拐が描かれる。
それから8年後、とあるマンションの一室で衰弱した男児が発見された第二部から物語は大きく動いていく。
児童虐待、養護施設内の陰湿ないじめ、壮絶な場面に何度も目を背けたくなる。
短絡的とも思えた狂言誘拐の裏に隠されていた真実に衝撃を受け、更にそれまで信じていた事柄も次々と反転していき、その度に驚きと切なさで胸が詰まる。
罪のない子らの慟哭が聴こえて来るような一冊だ。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。