わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

万葉と沙羅/中江 有里【レビュー】

★★★

「万葉と沙羅」「あなたとわたしをつなぐもの」「いつか来た道」
「ひとりひとりのぼくら」「その先にある場所」
5話収録の連作短編集。

昭和の街並みに佇む古本屋を想起させるノスタルジックな装丁が何ともいい感じ。

中学時代のある出来事がきっかけで登校拒否になり、通信制高校に入学した沙羅と、1学年上で幼馴染の万葉。
人生に迷う二人の姿が静かなトーンで描かれる。

虚無感に苛まれていた沙羅が、本好きの万葉に刺激され、読書の楽しさを知りゆっくりと変化していく。

5話の中で二人が直接会うのは1話と5話だけ。
本で繋がるこの関係性が素敵。




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