★★★★
「健やかな論理」「流転」「七分二十四秒めへ」「風が吹いたとて」「そんなの痛いに決まってる」「籤」
6話収録の短編集。
どの短編からも本音と建て前の『本音』部分が鋭さを持って伝わって来て落ち着かない。
人間が心の奥底に隠している仄暗い感情がリアルに迫り、自らが暴かれている様な錯覚に陥る。
日々の生活を無難に過ごす為に、目には見えない善悪だとか常識・非常識だとか、様々な社会のルールからはみ出さないように気を配る日常。
そして時に芽生える破壊的感情。
どこにでもいる人達の弱さを痛い程感じ、生きる事の難しさを改めて痛感した。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。