わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

透明な夜の香り/千早 茜【レビュー】

★★★★

文中から様々な香りが立ち上って来る様な、濃厚で贅沢な読書時間を味わう事が出来た。

広い庭園の中に佇む威圧感のある古風な洋館、そこで暮らすのは深い紺色の声を持つ天才調香師・小川朔。

スーパーで「アルバイト急募」の張り紙を見つけ、この洋館で働く事になる元書店員の若宮一香。

この二人が軸となり物語は進む。

朔が作る香りを求め訪れる人達も問題を抱えているが、朔と一香自身も心の奥にそれぞれの闇を抱えている。

香りから導き出されるその人の秘密や嘘、有りえないと思いつつも惹きつけられる。

二人の孤独さえも匂い零れるような恋愛小説。




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