わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

罪の境界/薬丸 岳【レビュー】

★★★★

「甘えるな」
無差別通り魔事件の加害者の事を知る度に、幾度となくこの言葉が脳裏を過った。

加害者が歩んで来た過去に同情はする。
彼が味わった悲しみや苦しみを、同じ経験をしたわけでもない自分が「分かる」なんて簡単には言えないが、その辛さを想像する事は出来る。

けれど己の復讐心を満たす為、己のエゴの為に何の関係もない人達を巻き込むのは違う。

人は誰しも大なり小なり罪は犯している。

それでも人として超えてはいけない境界は存在する。
そのハードルを越えた先にあるのは誰も救われない未来だけだ。

人としての在るべき姿を問われる読後。




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