わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

草原のサーカス/彩瀬 まる【レビュー】

★★★★

刺さる。
痛みと切なさに胸をギュッと掴まれる。

製薬業界で優秀な研究者として働く姉・依千佳と、才能あるアクセサリー作家として活動する妹・仁胡瑠。
順風満帆に生きて来た姉妹が一つの出来事をきっかけに道を踏み外し転落して行く。

自分の思う正しさと周りが考える正しさのズレ。
それに薄ら気付いても、懸命に走っている最中は時に周りが見えなくなる。

人は大小の差はあれど誰だって間違える。
二人が犯した過ちが罪だとしても自分がその立場になった時、間違えないとは決して言い切れない。

静謐で美しい文章に浸りながら本当の正しさの意味を想う。




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