★★★★
「こんなはずじゃなかった」
彼女達の声にならない悲痛な叫びが何度も頭の中でこだました。
序章で描かれる卒業証書を持つ袴姿の女学生の姿が、かつての自分とリンクする。
あの頃は怖いものなんて何もなく未来に希望しかなかった。
年齢を重ねるうちに社会に蔓延る理不尽に気付き、仕事や結婚、出産、育児、躓くたびに努力で叶わない現実がある事を思い知らされた。
彼女達に襲い掛かる突然の病や子の発達障害。
一体誰がそんな未来を予想しただろう。
自らの心に潜む醜い感情に対峙しながらも精一杯生きる姿に共感し、そんな彼女達が愛おしくて堪らない。
※144頁、後ろから4行目
誤植「凜や美華には子どもがいるけれど」
美華に子どもはいないので正しくは「凜や響子には子どもがいるけれど」

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。