わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

存在のすべてを/塩田 武士【レビュー】

★★★★

深い愛の物語。

神奈川で起きた前代未聞の二児同時誘拐事件。
一児は間もなく保護されるが4歳の少年は身代金受け渡しに失敗し行方が分からなくなる。

その後3年の時を経て少年は無事に生還。
空白の3年間に一体何があったのか。
新聞記者・門田は地道な取材を重ね真実に近づいていく。

遅々として進まない展開にもどかしさを感じながら知りたい気持ちだけで頁を捲り続けた。

最終章に向けては涙が止まらない。
自己犠牲を厭わず少年を守り抜いた人達の絆に胸が熱くなる。

父が語った理想のアトリエで、その存在を感じながら絵筆を握る彼の姿が眼に浮かぶ。




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