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二人がいた食卓/遠藤 彩見【レビュー】

★★★

心がざわざわし、そのざわつきは頁を捲る毎に増長して行く。
食がテーマでこんなにも不穏な作品は珍しい。

旺介と泉は同じ会社に勤める20代の夫婦。
泉はコレステロール値が高い夫を気遣いヘルシーな食事作りに気持ちを注ぐが、かたや夫は偏食でファミレス舌。

エスカレートして行く泉の料理と対照的に徐々に心が冷えて行く旺介。

この食事作りは夫の為なのか自己満足なのか、私には執着に感じホラーの様にすら思える。

旺介の気持ちも分からなくもないが、彼が取ったある行動には嫌悪感を抱いてしまう。

たかが食、されど食、さじ加減を誤ると待っているのは破滅。




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