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木になった亜沙/今村 夏子【レビュー】

★★★★

「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の3話収録。

亜沙の手を介すと皆一様に食べ物を受け取ってくれない。
そんな亜沙が杉の木に転生し、その後わりばしにまで変貌して行く奇想天外な物語なのだが、滑稽さの中にも切なさや純粋さが混在していて何故だか胸を打たれる。

2作目は、どんぐりに始まり、水風船、ドッジボール等、全く自分に『当たらない』七未の葛藤が切々と描かれ、行き過ぎてしまった人物の、病的とも思える行動から目が離せなくなる。

3作目は読者の頭を翻弄する展開。

本作でも今村さんの独特な世界観を堪能した。




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