★★★
「望まれない命」「選択する命」「看取られる命」「奪われた命」「償う命」「背負う命」
6話収録の連作短編集。
安楽死がテーマなだけに終始、陰鬱な空気が漂う。
物語の舞台はホスピスを専門とする天心病院。
日本では未だ安楽死は合法化されていない。
だが、末期患者に安楽死を行ったとして、神崎医師が裁判に掛けられる所から物語は始まる。
読みながら、いくつものifが頭を過る。
もし自分が終末期の患者で痛みと苦しさに耐えられなくなったら。
もし自分の大切な人が安楽死を望んだら。
自分の正解が誰かの正解とも限らない。
死生観が問われる読後。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。