★★★
時は令和、主人公は老舗料理学校「品川料理学園」を経営する母と祖母とは距離を置きフリーの料理研究家として働く留希子。
一方、昭和初期、品川料理教習所に女中奉公に来ていたしずえ。
物語は時代を超え二人の女性視点で交互に進む。
留希子が母や祖母との対立で見えて来た物、それは一つのレシピの誕生秘話であり、理不尽とも思える家族のしがらみから成る悲しみだった。
しずえの生涯を思うと切なくなるけれど、時空を超えて繋がった口福のレシピに、家族間の目には見えない不思議な縁を感じる。
絡んでいた糸が少しずつほどけてゆく様な幸福な読後。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。