わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

生者のポエトリー/岩井 圭也【レビュー】

★★★

「テレパスくそくらえ」「夜更けのラテ欄」「最初から行き止まりだった」
「幻の月」「あしたになったら」「街角の詩」
詩をモチーフにした6話収録の連作短編集。

自分自身、言葉の力で幾度も救われて来たけれど、詩というものに対してどこかナルシシズム的なものを感じ苦手意識を持っている。
隠していた恥部を曝け出し、公衆の面前に晒される様な感覚だ。

物語は同じ街で暮らす接点のない老若男女が自身の心の丈を言葉にし紡いでいく。

彼らが哀しみや怒りを真っ直ぐに言葉にし閉じていた心が解放されていく姿に安堵した。

言葉の力を信じたくなる一冊。




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