★★★★
村山作品と思えないくらい地味。
けれどその地味な物語の中に深い情愛がたくさん詰まっていて何度も胸が熱くなる。
不登校の小学5年生・雪乃を中心に父母、曾祖父母、長野で暮らす地元民、同級生達との心の交流が長野の四季折々の風景と共に繊細な文章で綴られている。
理不尽ないじめに合い息をする事すら苦しくなった雪乃が自分の体験とオーバーラップし胸が塞がれる思いだ。
デリカシーに欠ける父親や同級生の大輝の言葉にハラハラしつつも、根っこにある人を思い遣る気持ちに心を打たれる。
無骨だけれど、ここぞと言う時の曾祖父の言葉に感動した。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。