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「水やりはいつも深夜だけど」がとても良かったので窪 美澄さんの過去作品も読み始めました。
「雨のなまえ」 「記録的短時間大雨情報」 「雷放電」
「ゆきひめ」 「あたたかい雨の降水過程」
雨に纏わる5つの独立した短編が収録されています。
窪 美澄さんの描く不穏な空気、鬱屈した人々、暗くて気怠げで救いがない独特な世界観、そして読後感も非常に悪い
けれど、どの登場人物もどこかに存在しそうでリアリティがあって惹き込まれます。
丸々、共感出来る人物はいません。
けれど普段自分の心の奥底に隠している部分が随所に表現されていてドキっとする場面も多々ありました。
ポップでポジティブな物語が好きな方には向きませんが、人間の持つ闇の部分、リアルな人間の本質が微細に表現されている作風が好きな方にはオススメです。
窪 美澄さん、これからの作品も楽しみです。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。