わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

川のほとりに立つ者は/寺地 はるな【レビュー】

★★★★

一人として同じ人間はいない。
頭ではそう分かっていても私達は時に間違える。

自分が思う正しさや常識に囚われ、その枠からはみ出している人を普通じゃないと判断する。
そして彼等の行動に何かしらの理由がある事に想いを馳せる事も忘れてしまう。

登場人物が抱えている様々な事情を知るたびに、自分の人を見る目の甘さと想像力の欠如に気付かされた。

水底に沈んでいる石の数も色も形も知る事は出来ないけれど、川のほとりに立ち想像する事はいくらでも可能だ。

自分の当たり前が皆の当たり前ではない。
目に見えない部分にこそ意識を向けたいと思えた。

※101頁 後ろから3行目 脱字 
「わたしのをこんなにも」




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