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特殊清掃人/中山 七里【レビュー】

★★★

「祈りと呪い」「腐蝕と還元」「絶望と希望」「正の遺産と負の遺産」
4話収録の連作短編集。

特殊清掃とは、事件や自殺等の変死現場や孤独死により遺体の発見が遅れ、腐敗や腐乱によりダメージを受けた室内の原状回復を行う仕事。
凄絶な情景描写に目を覆いたくなる。

お仕事小説の顔を見せながら内容はしっかりミステリー。

元刑事を含む特殊清掃人が孤独死した人々が抱えていた様々な事情を紐解いていく。

ジェンダーや遺産相続など時事問題を絡め、真実が浮かび上がった瞬間、なんとも切ない気持ちになった。
鑑定士・氏家の登場には思わずほくそ笑む。




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