わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

君といた日の続き/辻堂 ゆめ【レビュー】

★★★★

心の中に温かさが満ちて来る読後。

娘を亡くし、妻と離婚した僕が出逢ったのは1980年代からタイムスリップして来た十歳の少女。
疑似親子として過ごしたひと夏の日々が僕の喪失感を埋め、生きる希望を見出していく。

ファンタジーで在りながら、随所に張り巡らされた伏線と鮮やかな回収はミステリとしても秀逸。

思わずノスタルジーに浸る昭和時代の描写も楽しい。

だが物語が進むに連れて明らかになる、母の覚悟と父の後悔には切なさが込み上げた。

ミステリ&ファンタジーの枠を超え、家族の深い愛情もプラスされた、時空を超えて繋がる奇跡の物語。




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