わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

傷痕のメッセージ/知念 実希人【レビュー】

★★★★★

感動。
本を閉じた瞬間、熱い想いで胸が一杯になる。

胃壁に暗号を刻んで世を去った千早の父・穣。
その謎に水城千早&刀祢紫織、二人の医師コンビが迫って行く。

幼子が犠牲になった28年前の連続殺人事件との関係性。
暗号が記した物。

何故?何の為に?
次々と湧き出る疑問に知りたい欲求は加速する。

物語後半、事件の真相に近づいて行く過程は緊張感がピーク。
細やかに張られた伏線と完璧な回収はお見事。

医療ミステリーとしてはもちろん人間ドラマとしても秀逸だ。

穣が自らの命を懸けて残した傷痕のメッセージ、その時の心情を想うと涙が込み上げる。




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