わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

海神/染井 為人【レビュー】

★★★★

実在した東日本大震災の被災地復興支援費を私的に流用した事件を彷彿とさせる。

映像で見ただけで目を覆いたくなる3.11の大震災。
無残な現場を眼前にしながら被災者の為のお金を己の私利私欲の為に使うなど人間の風上にも置けない。

物語は2011年、2013年、2021年を行きつ戻りつしながら展開する。

震災から10年後に天ノ島の浜辺へ流れ着いた金塊が詰まったアタッシュケース。
その場面から始まるプロローグは秀逸。

ワダツミ・海の神がいるならば、震災で憔悴しきった被災者に更なる重荷を背負わせる悪から守って欲しいと強く願う。




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