★★★★★
心の襞を震わす愛おしい物語だった。
人が人を語る時、自分のフィルターを通した狭い世界で相手を判断してしまいがちだ。
勝手な思い込みや先入観が事実を歪めてしまう。
この物語の主人公、77歳で孤独死した葛城平の生きざまを追いながら、人が持つ無情さに憤り、やるせなさで胸が詰まった。
平と関わった人達も、皆それぞれに事情を抱えている。
彼らを見つめる作者の眼差しは時に辛辣でありながら本質を突いていて根底に愛を感じた。
誠実で在るが故、苦難の連続だった葛城平の人生。
それでも彼の周りに溢れんばかりの愛が存在していた事に救われる。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞