★★★
「二人分の殺意」「生きている理由」「燃えさしの花弁」「沈黙と欺瞞」「書けなかった名前」
5話収録の短編集。
物語は裁判の被告人の視点で始まり、場面が変わると刑事事件のルポルタージュを書くフリーライター・湯川和花の語りで進行する。
5つの裁判に共通して登場するのは常に事件の本質を捉えて真実を暴き出す不知火裁判官。
和花と傍聴マニアの中年二人組(大野&坂上)の珍推理を吹き飛ばし、理路整然とした「他に類を見ない質問」で裁判を引っ繰り返す。
法廷ミステリーならではの緊張感には欠けるが、それぞれの人間ドラマが味わい深い一冊。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。