★★★
11話収録の短編集。
優しい筆致で綴られているがテーマは重い。
コロナウイルスで静まり返った学校、小児病棟に長く入院している子ども、コロナで離ればなれに暮らし画面ごしでしか会えない親子、人種差別、戦争、いじめ等、悲しみや痛みを伴うこれらの出来事が、時にファンタジーを絡め、時にリアルに描かれている。
全編から生き辛さや孤独の感情が伝わって来て、胸がギュッと締め付けられる。
それらの負の感情を温かな眼差しで掬い上げ、希望の光が差して来る展開にホッとする。
この混沌とした世の中に大切な物は何か、メッセージ性を秘めた一冊。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。