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BUTTER/ 柚木 麻子【レビュー】

★★★

柚木 麻子さんの長編小説

柚木さんの作品は『ナイルパーチの女子会』で嵌り、今までに何冊か読ませて頂きました。
どれも一気に読める作品ばかりでしたが本作に限り中々ページを捲る手が進みませんでした。

8年前の木嶋佳苗被告による婚活詐欺事件を元にしていますが、内容は完全なるフィクションです。
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子、獄中にいる彼女に取材を重ねて行くうちに翻弄されるこの物語の主人公である30代の女性記者・里佳が軸となり物語が展開して行きます。

タイトルから連想させる濃厚なバターの様な物語ですが、いかんせん料理の記述、里佳の家庭環境・父親との関係、親友伶子とその夫との関係、住居を借りた篠井の家族関係などエピソードが多過ぎるせいで焦点がぼやけてしまい、何を言いたいのか良く解らないまま読了しました。

ずっしりと重い460ページで文字数も多く、丁寧に描かれている印象は受けましたが、いつもの満足感は得られないまま物足りない読後感となりました。




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