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ときどき旅に出るカフェ/近藤 史恵【レビュー】

★★★★

近藤 史恵さんの連作短編集です。

タイトルを最初に見た時にエッセイ?と思いましたが、「カフェ・ルーズ」という小さな喫茶店の店主、葛井円(くずい まどか)が毎月1日から8日までお店を休んで、その間旅に出て買って来たものや見つけた美味しい物を出すと言ったコンセプトからのタイトルです。

そして、「カフェ・ルーズ」を訪れたお客さんもまるで自身も旅に出て
美味しい物を食べた感覚が味わえる様な魅力あるタイトルだと思いました。

全10話から成る連作短編集で登場する食べ物はどれも一度味わってみたくなる描写で溜りません。

そして、味わえるのはスイーツだけではなく、リアルな人間模様

人物描写が巧みな近藤 史恵さんだけあって、どの人物もどこかに存在していそうで
この物語の主人公である奈良瑛子(なら えいこ)に感情移入しながら読み進める事が出来ました。

少しハラハラ・ドキドキする場面もありましたが全体的にほんわりしていて、心穏やかに読めた作品です。
最終話では思いもよらないラストにこれまたドキっとしましたが
こんな素敵なお店が近所にあったら間違いなく私も足しげく通う事になると思います。




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