★★★
桐野 夏生さんの長編小説
様々な作家さんに取り上げられている「連合赤軍事件」が題材の小説です。
読み始める前に、巻末のズラッと並ぶ参考文献に目を通し、難しい内容かと思いましたがページ数にして299ページ、現代部分にはフィクションが融合されておりとても読みやすい作品でした。
主人公の西田啓子はジムと図書館へ外出する程度で一人静かに暮らしています。
事件から40年余り
昔を知る熊谷千代冶から掛かって来た1本の電話により啓子の穏やかだった毎日にさざ波が立ち始めます。
啓子が関わった事によって起きる妹、和子と姪の佳絵(かえ)との軋轢
40年と言う年月を経てもその影響は計り知れない物があります。
そして昔の仲間との再会やそこで知り得た真実など
物語は終始不穏な空気感の中で展開されて行きます。
「連合赤軍事件」を良く知っている年代であれば共感出来る面が多々あると思いますし、あまり知らない年代の方であれば興味を持てるような解りやすく読みやすい内容になっています。
ラストにどのような結末が待っているかと読み続け、良い意味で淡々としたクライマックスが余韻を残しました。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。