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司書のお仕事―お探しの本は何ですか?/大橋 崇行【レビュー】

★★★★

以前から図書館の仕事にとても興味があったので
大変面白く読むことが出来た。

一番良かったのは小説仕立てになっている点
物語を楽しみながら、図書館司書の仕事内容について知る事が出来るので
堅苦しくなく、それでいて解りやすい。

図書館司書と言うと、まず最初に頭に浮かぶのがカウンターでの貸し出し・返却業務ですが、本著を読むとそれ以外の多種多様な仕事内容があってびっくりする。

頭を使うのはもちろんの事、重い書籍を運んだりするので、頭脳、体力の両方が必要だと感じた。

特に印象に残ったのは、NDC分類。
図書館で本を探すとき何気なく目にしていた背表紙の番号。

今、我が家にある図書館本は9冊、背表紙には913.6の数字が並んでいます。
これを「きゅうひゃくじゅうさんてんろく」とは読むのではなく
「きゅう いち さん てんろく」が正解だそうだ。

なぜならそれぞれの数字には全て意味があるから。
9は文学、1は日本、3は小説、最後の6は近代
これがNDC分類、日本語で「日本十進分類法」と言います。

読者の立場からするとなるほど!と凄く勉強になるし、図書館司書の方達が、様々な本をこうして分類する事の大変さも感じた。

又毎月図書館に申し込んでいる本のリクエストですが、この裏側の様子も知れて非常に興味深い。
毎月、どの本を購入するか選書会議を開いたり、BL本を取り入れるか止めるかなど相談したり。

図書館にある本がどのようにして棚に並ぶことになったのか解り、これからは図書館で本棚を見るたびに感慨深くなりそうです。

読者目線で読んでも楽しいし、これから司書を目指す人達が読んでも勉強になる1冊だと感じました。




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