わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

檸檬先生/珠川 こおり【レビュー】

★★★★

衝撃の冒頭に打ちのめされる。

人や音、数字に色が見える「共感覚」を持つ小学3年生の少年と、檸檬色に映る中学3年生の少女の物語。

マイノリティゆえに、クラスで疎まれイジメに合う少年が同じ共感覚を持つ少女と出逢った事で、互いの孤独を埋めていく春夏秋冬の日々に心が和らぎながらも冒頭の映像が過り胸が詰まる。

何故人は自分と異なるものに対して攻撃するのか。
肯定し認めろとは言わない。
けれどスルーは可能なはずだ。

文中から溢れ出す色とりどりの色彩に共振するかの様に、二人の苦悩と絶望が伝わって来る。

あまりにも残酷だ。
哀し過ぎる。




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