★★★
これはまさしく大人の御伽噺。
物語の舞台は福島県の猪苗代。
失恋したばかりの社会人と、元いじめられっ子のスパイ。
二つの並行世界が交互に描かれる。
あっちの世界で誰かがくしゃみをすれば、こっちの世界で風が吹く。
別世界でありながら、ほんの少し共鳴する事で変化を呼ぶ。
何の気なしにした行為が本人の知らない所で誰かを救う事もある。
そして何かが三つ揃うと出現する扉。
あっちとこっちが行き来出来る?
荒唐無稽な設定だけど冒険心がくすぐられる。
「どこかの誰かが、幸せでありますように」の祈りが込められた優しく温かなSFファンタジー。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。