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登場人物の心の機微を繊細に描いた心理描写が秀逸。
先が見えない不妊治療、無精子症と診断された夫や家族の思い、望まない妊娠、育てる事が出来ない女性達
初めは特別養子縁組がテーマだと思い、子を求める栗原夫婦に感情移入し読み進めて行った。
しかし、その陰で自分の思いとは裏腹に、谷底に落ちて行く
朝斗の生みの母であるひかりにどんどん気持ちを持って行かれた。
血縁がなくても強い絆で結ばれる親子がいる。
反面ひかりの様に血が繋がっていても互いを嫌悪する母娘も存在する。
最後は人としての在り方なのだ。
親子の意味を考えさせられる秀作。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。