わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

この夜が明ければ/岩井 圭也【レビュー】

★★★★

パンドラの箱を開けてしまったかの様な後ろめたさを伴う読書時間だった。

北海道の港町、季節バイトに集まった七人の男女は其々に大きな秘密を抱え皆一様に何かから逃げている。

仲間の一人が不審死した事によって、六人の秘密が順に明かされて行く場面は公開裁判さながらで息が苦しくなる。
人間の暗部を抉り白日の下に晒す行為に嫌悪感を感じつつも、真実を知りたい欲求は加速し、頁を捲る手は止まらない。

皆が背負って来た過去が明らかになるたびに同情の気持ちが芽生え彼らに肩入れする自分がいた。

彼らの心が晴れ本当の意味で夜が明ける事を祈る。




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