★★★★
パンドラの箱を開けてしまったかの様な後ろめたさを伴う読書時間だった。
北海道の港町、季節バイトに集まった七人の男女は其々に大きな秘密を抱え皆一様に何かから逃げている。
仲間の一人が不審死した事によって、六人の秘密が順に明かされて行く場面は公開裁判さながらで息が苦しくなる。
人間の暗部を抉り白日の下に晒す行為に嫌悪感を感じつつも、真実を知りたい欲求は加速し、頁を捲る手は止まらない。
皆が背負って来た過去が明らかになるたびに同情の気持ちが芽生え彼らに肩入れする自分がいた。
彼らの心が晴れ本当の意味で夜が明ける事を祈る。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞