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笑うマトリョーシカ/早見 和真【レビュー】

★★★★

政治の世界を描いた硬質な物語かと思いきや、人間の本質に迫るミステリー。

ロシアの民芸品・マトリョーシカは次々と小さな人形が出てくる入れ子型の人形だが、この作品の登場人物達も自分の中にいくつもの顔を隠している。

27歳の若さで代議士となり40代で官房長官まで上り詰めた男は、自分自身の意志を持たず、常に誰かに操られているマリオネットのようだ。
その糸を操り、支配している者の正体を知りたくて一気読み。

終盤の狐と狸の化かし合い的展開には驚愕。

絶対的自信があった予想は裏切られ見くびっていたのは自分だったと気付かされる。




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