わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

神曲/川村 元気【レビュー】

★★★

小学校校門前で起きた凄惨な場面から物語は始まる。

檀野小鳥店を営むどこにでもいそうな四人家族。
この家で暮らす小学生の長男が通り魔によって命を失い、犯人はその場で自殺。

突然地獄に突き落とされた家族は救いを求める様に「永遠の声」と名乗る怪しい宗教にのめり込む。

この胡散臭い合唱隊を一心に信じる母親、躊躇いつつ母と共に信仰する娘、訝しみながらも、飄々として掴み処がない父。
物語は三人の視点で順に描かれる。

もし自分が同じ立場になったなら、やはり何かに縋りたくなるだろう。

信じる者の正体は神か悪魔か。
カルトの闇に迫る作品。




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