★★★
「待ち伏せの岩」「火焰」「歪む家」「誰が袖」「骸の浜」「茨姫」
6話収録の短編集。
各話の登場人物に接点はないが共通して現れるのは大工の尾端。
住居にまつわる怪異を営繕屋・尾端が修繕し解決へ導く。
なんとも、ふうわりとした読み心地。
どの物語も怪しげで不穏。
特にドールハウスの奇妙な現象を描いた『歪む家』はその恐ろしさにゾッとする。
一体なぜ、こんな事が起き誰がソレをしているのか。具体的に明かされない事で胸のざわつきが収まらない。
生者と死者の境界線が曖昧で、フッとした瞬間に別世界へ取り込まれてしまいそうな恐怖を味わう。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。